2025.06.19
前回は「宿題で字が書けない」という困りごとの背景に、
ワーキングメモリという脳の機能が
関わっていることを
可能性の1つとしてお伝えしました。
今日はその続きとして、
家庭でどのような工夫や声かけができるのかをご紹介します。
ワーキングメモリが苦手なお子さんにとって、
「書く」という行為は
とても負担の大きいマルチタスクです。
✔お手本を見て形を記憶する
✔記憶したまま手を動かして書く
✔同時に、書いたものが正しいかを確認する
これらを一度に処理するのは、
大人でも難しいことがありますよね💦
だから、まず考えて行かなければいけないのは
どうすればこの負担を軽くできるのか?
ということ。
そのために、
最も意識してほしいのが
1つずつ分けて伝えることです。
たとえば、漢字の書き取りをするときに
「5つ書いてね」と言うのではなく、
①まず1文字だけを一緒に見て
②形の特徴を一緒に口に出し
③1回だけ書く
④書けたらすぐに「今の“くちへん”、いい形だったね」など具体的に褒める。
⑤それから次の文字に進む
このように、
処理のステップを一つずつ明確にして伝えることで、
脳の負荷が下がり、
本人の「できた」という実感も得られやすくなります。
また、視覚だけに頼らず
「声に出す」ことも、ワーキングメモリの補助になります。
たとえば、
①お手本を見ながら声に出して読み上げる
②お母さんが読み上げて、子どもが書く
③書いたあとにもう一度読み上げて確認する
このように、
聴覚をうまく使うことで、記憶の保持がしやすくなるのです。
(わが家の息子には聴覚情報がかなり効果的)
ノートや道具の工夫も有効です。
①1ページに詰め込まない
②マスを広くする
③行数を減らす
④お手本をすぐ隣に貼る
⑤1マスずつ囲ってあげる
視覚情報が整理されていると、
それだけで“やれそう感”がアップしますよね✨
そして、無理に全部「書かせる」ことにこだわらない、
というのも親側のスタンスとしては
大事かもしれません。
どうしても集中できない日や
疲れている日には、
・漢字カードを見ながら口頭で意味を言ってみる
・ホワイトボードに大きく書いて1文字だけ練習する
・アプリやタイピングで文字の形を確認する
など、学習の形を柔軟にすることも立派な支援になりますから✨
大切なのは、
子どもが「わかる・伝える・覚える」体験を持ち続けること。
紙に書くことでなくても、
学びの本質は育ちますから!
また、できなかったことよりも
「今できたこと」に注目して伝えると、
子どもは次に向かうエネルギーを持ちやすくなります。
たとえば
「1文字目で止まらずに2文字目に行けたね」
「昨日よりも早く取りかかれたね」
など、“行動”に注目して具体的に認めるのがポイントです。
親が全部を支えなくても、
子どもが「これならやれるかも」と思える部分を
一緒に見つけてあげること。
それが家庭でできる、ちょうどよいサポートです。
次回は、「専門機関との連携」や
「学校への伝え方」についてお届けしますね。
どこに相談したらいい?
WISCの結果ってどう活かせば?
先生に“伝わる”伝え方って?
そんな、外部の支援とつながるための実践的なヒントをお伝えします。
子どもが「自分のペースで学べる」ことを守るために、
家庭にできること、
学校に求められること、
それぞれの役割を一緒に整理していきましょう。
どうぞ次回も楽しみにしていてくださいね。
今日も最後までお読み下さり
ありがとうございました。
明日も笑顔溢れる一日になりますように。